2022年にニュースで話題になりご存じの方も多いと思いますが、メールアドレスのドメイン部分(@マーク以降)を間違えて入力したばっかりに、違う人へメールが送られ続けていたという恐ろしい事件がありました。
具体的には、「@gmail.com」とするところを入力ミスで「@gmai.com」としてしまい、悪意のある人がそのアドレスを事前に登録していてメールを奪われてしまったという仕組みになっています。
この場合、残念ながらメールが送られてしまう(エラーで戻ってこない)ので、対策としては「いかに間違えずにアドレスを入力するか」に気をくばるしかありません。
そこで今回は、メールアドレスの入力間違いを減らす方法をいくつかご紹介していきます。
ドッペルゲンガードメインとは
今回紹介している事件のように、ドメインの一部を変えて登録されているメールアドレスのことを「ドッペルゲンガードメイン」と呼びます。(ドッペルゲンガー=自分そっくりの分身・幻覚)
ドメインとは@(アットマーク)以降の部分を指しますが、企業が独自に設定しているものになり、同じ会社のメールアドレスを使っている人は全員共通です(gmail、docomoなど)。
有名なドメインは多数の利用者がいるため、間違えて入力される確率も高くなります。
それを狙って、わざと間違えそうなドメインを取得している悪意のあるユーザーがいるのです。
そのドメインを使って、ランダムにもしくはホームページ等から誰かのメールアドレス探して、大量にメールアドレスを保有しておき、誰かが間違えるのを待っているという手口です。
前述のとおり、間違ったアドレスを入力してメールを送信してもエラーで戻ってこない状態になりますので、出した本人はまったく気づくことができません。受信者から催促されない限り安心していることでしょう。
メールアドレスの入力間違いを減らす方法
(相手のアドレス)返信ボタンを利用する
メール出す場合に一番間違えない方法は、相手から来たメールに返信ボタンで返信することです。
この方法により間違いがなくなりますが、注意点としては個人に送信したいのにCcで入っている全員に送信してしまったり、件名にずっと「Re:」がついていたりすることが挙げられます。この点は社会人としては確認しておきたいところです。
(相手のアドレス)アドレス帳に登録しておく
メーラー(ソフト)を使っている場合は、アドレス帳に登録しておくことをおススメします。最初に登録するときは面倒かもしれませんが、後でメールを送るときには名前を入力すればメールアドレスを入力せずに済むので重宝しますよ。
相手からの受信メールからアドレスをコピーして、アドレス帳に登録すれば自分で入力することが無くなるのでタイプミスがなくなります。手間も省けて、ミスもなくなり一石二鳥ですね!
(相手のアドレス)複数人に送るときは”Bcc”を利用する
複数人に送るメールの中に、1人でもドッペルゲンガードメインのアドレスがあれば、悪意のある人にその他複数の人のアドレスが分かってしまいます。これを防ぐためにも、複数人にメールを送るときはBccを使うという方法があります。
Bccは「ブラインドカーボンコピー」の略で、Toで送る相手にBccに追加した人を見せない仕様になっています。また、Bccに入っている人は、Toで送られている宛先は分かるが、Bccに追加されている人は分からないようになっています。
(相手のアドレス)添付を送らない
こちらは、他のサービスを使っている方にしか難しいかと思いますが、なるべくメールで添付資料を送らないようにしましょう。可能であれば、外部のファイルサービスを使って自分のファイルを預けて、相手にダウンロードしてもらうほうが良いです。ダウンロード時には、別途伝えておいたパスワードを使って解凍してもらうとより安全です。
(自分のアドレス)パソコン(スマホ)に記憶させておく
パソコンやスマホで文字入力する際には”辞書”を使うことができます。この辞書に、例えば「メール」という文字を登録し、メールが入力されたときに自分のメールアドレスを表示するように登録しておけば、入力が楽になります。
もちろんこの場合には、一度自分あてにメールを送ってみて、確実に送れることを確認しましょう。
(自分のアドレス)入力フォームが2つあるときはコピーしない
こちらはWeb上でアカウント登録する場合に入力ミスを防ぐための仕組みですが、面倒なので1度入力したものをコピーして2つ目の入力欄に貼り付ける方はいないでしょうか?
せっかく良い仕組みがあっても、利用する人のやり方次第でうまく機能しないということはシステム構築の”あるある”ですが、スマホ等に保存している間違いないアドレスを貼り付けるなど確実なもの以外は、丁寧に2回入力するようにしましょう。
まとめ
メールアドレスを入力するときは、多くの人がゆっくりと1文字ずつ丁寧に入力することが多いと思います。
それでもタイプミスや単語のスペルミスによって、今回のような出来事が引き起こされる可能性が残っているので、メールアドレス入力後は一呼吸おいて再確認するようにしましょう。